統合失調症の要因

 

統合失調症の要因として考えられるものにはいくつかあります。その中のひとつに神経発達障害が原因ではないかという説があります。

 

人間の身体は細胞の集まりですが、細胞は毎日多くが死滅し、同時に新しく生まれているものです。それは脳の細胞も同じで、神経細胞はどんどん死滅し死骸となります。その死骸を掃除する役目をしているのがグリア細胞ですが、統合失調症にかかるとグリア細胞が増えないといわれています。このグリア細胞が増えないという状況が胎児の時から既に起こっているのではないかという考え方が神経発達障害仮説です。

 

 

胎児期に神経発達を妨げるような現象が起こり、そこで脳に異常が発生します。それが原因で思春期頃に統合失調症を発症するのではないかという説です。

 

また、心因仮説というものもあります。これは文字通り心に問題があるとい説です。これは精神疾患によくある、人間関係や虐待、心的外傷が原因ではなく、コミュニケーション能力の問題です。普通、コミュニケーションは言葉によって行われますが、言葉をそのまま鵜呑みにせず、行間を読むという能力が人間にはあります。しかしそれが出来ずに言葉をそのままでしか解釈できない人も中にはいるのです。

 

他に前頭葉機能低下説というものがあります。脳の前頭葉の機能としてワーキングメモリーという能力がありますが、それが十分に働かず、話を聞いてもその意味を理解できない状態の人が統合失調症になるのではないかという説です。

 

これらの仮説が複雑に絡み合って統合失調症が発症するのではないでしょうか。統合失調症の原因が特定されるには、まだまだ時間がかかりそうです。

 

 

 

 

 

 

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