子宮脱について
数ある女性の病気の中でも子宮脱はあまり知られていないようです。実は子宮脱は日本女性の多くが経験している非常に身近な病気です。
子宮や膀胱は骨盤底筋群(骨盤の底にある筋肉、じん帯、筋膜)に支えられ体の中に収まっています。ところが何かの理由で筋肉が緩んでしまい、支えきれなくなった子宮が膣の中に落ちてしまうことを子宮下垂、外に出てしまうことを子宮脱といい、意外に多い病気なのです。
子宮脱という病気を起こしやすいのは、長時間の立ち仕事や下腹部に力が入ってしまう仕事をしている女性や、出産経験の多い女性だと言われます。また50〜60代の女性に多いのはホルモンの減少によって骨盤底筋群が緩んでしまうからです。帝王切開などの手術をした時に子宮じん帯を傷つけてしまい、子宮脱が起こることもあります。
子宮下垂や子宮脱が起こるとどのような症状があるのでしょうか。下腹部の不快感や痛み、おりものの増加、腰痛、便秘の他、頻尿、尿漏れ、排尿困難などの症状が起きると言われています。
ペッサリングという方法で子宮脱を治療します。これはペッサリーというリング状の器具を膣に入れて、落ちてしまった子宮を元の位置に戻す治療方法です。その他、膀胱底形成術、膣式子宮全摘術、骨盤底形成術等の手術をすることもあります。