現代社会は構造や人間関係が複雑なこともあり、心の病気になってしまう人が大変な勢いで増えています。中でもうつ病にかかる人が増えているのが現状です。心の状態は常に変化をしていて、外部からの影響だけでなく、自分の内部からも影響を受けて、心を病んでしまうことがあります。残念なのは、身体の病気と違って、心の病気にかかるとその人の人格まで否定されかねないということです。しかし心の病気にかかってしまう人が多いの...
うつ病の症状にはどのようなものがあるのか、ここでご紹介します。【精神状態】気分・・・抑うつ、孤独感、寂しさ、喜びや楽しさの喪失、興味の喪失、気力の喪失、疲労感、不調、疾病感、不安、緊張、苦悶、焦燥感、攻撃的、気分の日内変動がある(朝に抑うつ状態がひどくなる)、悲観的で自信がない、自己無価値感、劣等感、人と接することを拒否する、ひとりになりたがる思考及び態度・・・自責感や罪責感を持つ、微小妄想、自殺...
うつ病には、いくつかの形態があります。躁うつ病、単極型うつ病、双極型躁うつ病、初老期うつ病、仮面うつ病です。ここではそれぞれのうつ病の形態について解説します。【躁うつ病】悲哀感が主な症状の「うつ」状態と、爽快感を主とする「躁(そう)」状態が現れる病気を「躁うつ病」といいます。遺伝や性格によるものが大きいといわれていますが、病状が落ち着くと正常な状態に戻るという特徴があります。【単極型うつ病】うつ状...
「最近、あまり眠れない」、「食欲がない」、「背中が痛い」という身体的な症状を患者がいろいろと訴え、検査をしても原因がはっきりせず、医師も周りの人も「気のせい」とか「考えすぎ」などとして済ませてしまいがちなうつ状態を「仮面うつ病」といいます。仮面うつ病は心の病気ですので、周囲の人が理解し協力することがとても大切です。「気のせい」だけでなく「わがまま」だと言って、本人を追い詰めるようなことがないよう、...
うつ病を治療する薬として精神科や心療内科で処方されるのが抗うつ薬です。「こころの治療薬 ハンドブック」星和書店、では、心の病気の治療に使われる様々な薬の説明、用量、実際に処方した際のエピソード、処方の留意点、服用の仕方と留意点が載っていて、大変参考になります。こころの治療薬ハンドブックには、以下のような薬が挙げられています。抗うつ薬・抗不安薬・向精神薬・抗てんかん薬・抗パーキンソン薬・脳循環代謝改...
うつ病の薬は、大変多くの種類が開発されています。薬は人により、効果や副作用が全く違います。薬に対する考え方や、薬の使用の仕方は精神科医により様々です。例えば、アナフラニール(一般名クロミブラミン)は抗うつ薬のひとつですが、この薬は確実に効くために精神科医は昔から使ってきました。しかしアナフラニールにも副作用があり、ひとによっては口が渇いたり、尿が出にくくなったり、便秘をしたりという症状が出ることが...