事件に見る共依存と回避依存
恋愛依存症のタイプでも説明したように、共依存の人と回避依存の人は正反対のようで、実はお互いに強くひかれ恋に落ちることが多いのです。
共依存の人は自分のことより何よりも恋人のことが大切になり、極度に面倒を見てあげることにより、「自分は相手に必要とされているんだ」ということに満足します。回避依存の人は幸せになることが怖く、最初は心地良いと思っていた共依存の人からの束縛や面倒見の良さが、急に怖くなり逃げ出したくなる人です。
共依存と回避依存に関連すると思われる2013年2月に起きた事件を紹介します。
「殺してしまった男の腕枕で2晩過ごした女」
彼女(A子)は、同棲している彼(B男)が浮気をしていることを、彼の入浴中に携帯電話のチェックをして知ります。B男には同棲相手のA子の他に、交際している年上の女性(C美)がいたのです。A子は以前からB男の行動を怪しいと思っていたのでしょう。実際、B男は、A子に隠れてC美に電話したり、「今から出るね」というC美宛てのメールを間違ってA子に送ったりした事実があるようです。
浮気がばれた後、B男はC美に「もう付き合うことはできない」とメールで別れを告げました。これで同棲相手のA子とうまくいけば良かったのですが、現実は厳しく、A子とB男の仲は険悪になり、同棲しているのに寝室は別、顔も合わせないこともあるという、家庭内別居のような状態になってしまいました。
息の詰まるような状態に嫌気が差したのか、B男は再び、C美と交際を始めます。
A子は何度かB男にメールを送りました。同じ家に住んでいるのに会話もなかったのでしょう。
「一緒にいたい、あなたは大事な人だからそばにいてほしい・・・」
「誕生日を覚えてくれていて嬉しかった、一緒にいてくれてありがとう」
B男はA子のメールには返信しませんでした。B男の中でC美の存在が大きくなっていたからでしょう。
その頃、B男はC美に親密なメールを送っています。
「C美を誰にも取られたくない」
「週1回しか会えないのは物足りない」
「今こっそりC美の写真を見ているよ」
クリスマスにはC美にはプレゼントを贈ったのに、A子には何もなかったといいます。
年が明けて1月、B男からC美に愚痴のようなメールが送られています。
「実家に帰ると言ったらA子に、『C美と会うのではないか?』と疑われた。もう他人(A子)と生活するのは無理だ。」
同時にB男は1人暮らしをするためにアパートを探し始めます。殺された日の数日後にも、アパートを見に行く約束を不動産会社としていたそうです。
A子はB男のそんな様子を察したのか、
「疑ってごめんなさい」
「傷付けてごめんなさい」
「あなたと一緒にいられるだけで幸せなのに」
というメールを送りましたがB男は返信しませんでした。
その後もA子はB男にメールを送ります。
「朝はごめんね。イライラして八つ当たりしてしまいました」
「おかえりって言えなくてごめんね」
今までA子からのメールを無視し続けたB男ですが、とうとうA子に1通のメールを送りました。
「俺はもう疲れてしまった。やっぱり自分は他人と暮らすのは向いてないみたいだ」
このメールがきっかけとなり、A子はB男の寝室へ行き、包丁でB男の左胸を思いっきり刺しました。自殺しようと思ったのか、A子は自分の腹も刺し、死んだB男に腕枕をされた状態で発見されました。
当初、A子は殺意を否定し、B男への恋愛感情さえも否定し、正当防衛を主張しましたが、突発的で自分勝手な行動であるということで懲役13年の判決が言い渡されました。
私は専門家ではないので、A子やB男の心理状況をどうこういうことはできません。ただこの事件は「共依存と回避依存のカップルだった」私の知人の状況に酷似しており、当時の知人の様子を思い出させました。そして、A子は共依存、B男は回避依存なのではないかという考えが頭をよぎりました。
このような悲惨な事件が起きてしまうのは極端な例かもしれませんが
A子の『B男を自分だけのものにしたい』という気持ち
B男の『A子から逃げ出したい』という気持ち
これらの異常な状況は、恋愛依存という心の病気が全く関係してないとは言えないのではないでしょうか。
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